Ｑ＆Ａ

弁護士に依頼すれば交通事故の慰謝料の金額が増額するのですか？

１　多くのケースで慰謝料の金額が増額する

交通事故被害者の方が事故により怪我をした場合，治療終了後に加害者が加入している任意保険会社などから被った損害についての賠償案が提示されます。

賠償案の提示がなされると，被害者は，提示金額で示談に応じるか否かを判断することになります。

保険会社からの提示金額のうち特に慰謝料は，裁判をした場合に認められるであろう金額よりも低額な提示であることがほとんどです。

そのため，多くのケースで，慰謝料の金額が増額します。

慰謝料は，各被害者の精神的苦痛の程度を量る方法がないため，ある程度形式的な基準に従って算定されています。

具体的には，裁判所は，赤本と青本と呼ばれている本に載っている慰謝料算定基準を参考に個別具体的な事情も勘案した上で，慰謝料額を判断しています。

私たち弁護士も裁判所と同様に，この赤本と青本と呼ばれている本をもとに慰謝料額の目安を考え，そこに個別の被害者の方の事情を勘案した上で，適切な慰謝料の額を考えていきます。

他方で，保険会社は，赤本と青本と呼ばれている本に載っている基準ではなく独自の内部基準に従い慰謝料の算定を行います。

多くの保険会社の場合，内部基準のほうが赤本・青本等の慰謝料算定基準よりも金額が低く定められていると考えられます。

そのため，弁護士が交渉すると，多くのケースで，保険会社提案金額から裁判基準の金額までの差額分が増額されるのです。

慰謝料の増額交渉は，慰謝料の形式的な算定基準は定まっているものの裁判基準ではこうなっているとの主張をすれば必ず認められるといったものではありません。

あくまでも目安金額であり，交渉により適切な金額を獲得するためにはやはり具体的事実の主張が重要となります

どのような事実が慰謝料を増額させる要素となるのか，判断することが難しいことも多いです。

そのため，保険会社から提示のあった金額が適切かご不安な方は，交通事故に詳しい弁護士に一度ご相談いただくとよいと思います。